ジュニアアスリートのトレーニングは大人と何が違うのか

「子どもに筋トレをさせても大丈夫ですか?」
ジュニアアスリートのトレーニングについて、保護者の方からよくいただく質問です。

「筋トレをすると背が伸びなくなるのでは?」
「体幹トレーニングはまだ早いのでは?」
こうした不安の声も、決して少なくありません。

こうした疑問の多くは、大人と子どもを同じトレーニングの延長で考えてしまうことから生まれます。

成長がほぼ安定した大人と、成長途中にある中学生以下のジュニアでは、トレーニングの目的もアプローチもまったく異なります。

なお、高校生は成長の度合いに個人差が大きく、両者の中間に位置すると考えています。

成長がほぼ落ち着いた大人のトレーニングの考え方

大人のトレーニングでは、筋力やパワー、持久力など、身体能力そのものを高めることが主な目的になります。

・より強い力を出すこと
・競技に必要な動きを高いレベルで再現すること
・負荷を段階的に高めていくこと

これらは、パフォーマンス向上に直結する重要な要素です。

フォームや可動域を適切に管理したうえで、ウエイトや強度をコントロールしながらトレーニングを行うことが求められます。

成長途中にある中学生以下のジュニアのトレーニングの考え方

一方で、中学生以下のジュニアは、身体がまだ完成していない段階にあります。

骨や関節、神経系は発達の途中にあり、この時期に最優先すべきなのは、筋力を高めることではありません。

ジュニア期のトレーニングで大切にしたいのは、筋肉を大きくすることや、重たい重りを扱うことではなく、将来に向けた「土台づくり」です。

この時期に優先すべきなのは、

【正しい身体の使い方を身につけること】
【身体をコントロールできるようになること】
【ケガをしにくい身体の土台を作ること】

これらはすべて、将来、より高い負荷に耐えられる身体へとつながる準備でもあります。

ジュニアアスリートのトレーニングで大切なのは、今すぐ結果を出すことではありません。この土台があるかどうかで、高校生以降、そして大人になってからの伸び方は大きく変わります。

「子どもが筋トレをすると背が伸びなくなる」は本当か

これは昔からよく聞かれる話ですが、現在では一概に正しいとは考えられていません。

問題になるのは、重すぎる負荷を悪いフォームで、管理なく行ってしまうことです。このようなトレーニングは、成長途中の骨や関節に過剰なストレスをかけてしまう可能性があります。

一方で、

【自体重や軽い負荷】
【正しいフォーム】
【成長段階に合わせた内容】

これらを守ったトレーニングは、成長を妨げるどころか、運動能力の発達を支える役割を果たします。

走る、跳ぶ、止まる、支える。

こうした基本的な動きは、すべて筋力と身体の使い方に支えられています。筋トレをしないことそのものが、ケガのリスクを高めてしまうケースも少なくありません。

なぜ子どもこそ体幹トレーニングが必要なのか

体幹トレーニングというと、腹筋やプランクのような、止まった姿勢をイメージされることが多いかもしれません。しかし、ジュニア期に必要なのは、身体を固める体幹ではありません。

必要なのは、

【姿勢を安定させること】
【手足を動かしても身体が崩れないこと】
【力をスムーズに伝えられること】

こうした「動ける体幹」です。

成長期の子どもは、身長が急に伸びたり、手足の長さが変わったりします。

その結果、

・動きがぎこちなくなる
・バランスを崩しやすくなる
・フォームが安定しなくなる

といった状態が起こりやすくなります。

だからこそ、体幹を含めた全身のコントロール能力を高めるトレーニングが重要になります。

成長期のトレーニングで大切にしたいこと

成長がほぼ落ち着いた大人のトレーニングは、能力を高めるためのもの。
成長途中にある中学生以下のジュニアのトレーニングは、能力を育てるためのもの。

子どもだからトレーニングが危ないのではなく、やり方を間違えることがリスクになります。

正しい考え方と適切なアプローチで行えば、ジュニア期のトレーニングは、将来のパフォーマンスを支える大切な土台になります。

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