irie gymでは、オープン当初から「体幹トレーニング」を大切にしてきました。それは、体幹トレーニングが流行っているからでも、腹筋を鍛えたいからでもありません。
僕がトレーニングでずっと大切にしているのは、鍛えた力を、実際の動きの中で使えるようにすることです。重いものを持てるようになること、筋力や筋肉がつくことも、もちろん大切です。
でも僕は、その先にある「その力をどう使うか」まで含めてトレーニングしたいと考えています。その考え方の中心にあるものの一つが、体幹です。
今回は、そもそも体幹とは何なのか、そしてなぜirie gymでは体幹トレーニングを大切にしているのかをご紹介します。
そもそも「体幹」とは?
体幹というと、腹筋をイメージする方が多いと思います。ただ、体幹は腹筋だけを指すわけではありません。お腹、背中、腰、骨盤周辺など、身体の中心部分を広く「体幹」と考えます。
そして大切なのは、一つひとつの筋肉を単独で見るのではなく、身体の中心部分が協力して働くことです。
歩く、走る、物を持つ、片脚で立つ、ボールを投げる、クラブやラケットを振る。こうした動作では、手や足だけが働いているわけではありません。その土台となる身体の中心部分も一緒に働いています。
だから体幹は、アスリートだけに必要なものではなく、日常生活からスポーツまで、さまざまな動きに関わっています。
「強い体幹」より「使える体幹」
体幹トレーニングというと、「身体を固める」「プランクを長くできる」といったイメージもあると思います。もちろん、身体を安定させる能力は大切です。
ただ、実際の日常生活やスポーツでは、身体をずっと固めたまま動くわけではありません。手や脚を動かしたり、片脚になったり、身体を捻ったり、外から力を受けたりする中でも、必要な部分を安定させながら動く必要があります。
だからirie gymでは、ただ固める体幹ではなく、動きの中で使える体幹を大切にしています。体幹を鍛えること自体が目的ではなく、身体をコントロールしやすくするために体幹を鍛える。その考え方でトレーニングを組み立てています。
プランクについては、以前の「プランクの正しい考え方」の記事でも詳しく紹介しています。
ウェイトトレーニングと体幹トレーニング
スクワットやデッドリフトなどのウェイトトレーニングでも、体幹はしっかり使います。重量を支えながら姿勢を保ち、力を発揮するためには、身体の中心部分を安定させる必要があるからです。
そのため僕は、「ウェイトトレーニングか、体幹トレーニングか」という考え方はしていません。ウェイトトレーニングで筋力を高め、その筋力をさまざまな姿勢や動きの中でコントロールする。どちらも大切です。
また、同じスクワットでも使用するバーや器具によって、姿勢や身体への負荷のかかり方は変わります。大切なのは、種目や器具そのものではなく、その人にとって何が必要なのかを考えて選ぶことです。
なぜ、あえて体幹トレーニングを取り入れるのか
ウェイトトレーニングでも体幹を使うのであれば、それだけで十分ではないかと思われるかもしれません。ただ、実際の身体の動きにはもっとさまざまな状況があります。
例えば、
- 片脚で身体を支える
- 姿勢を保ちながら手足を動かす
- 身体が回される力に対して安定させる
- 身体を捻りながら力を発揮する
こうした状況では、単純な筋力だけではなく、身体をコントロールする能力も必要になります。そのためirie gymでは、プランクだけではなく、ケーブル、TRX、BOSU、ViPRなども目的に合わせて使っています。
体幹を安定させながら手足を動かすトレーニングの一つとして、以前「バードドッグロー」についても紹介しました。
ただし、どんな器具や種目を使うかが一番大切なのではありません。「何のために、そのトレーニングを行うのか」という目的を考えながら、トレーニングを選ぶことを大切にしています。
一般のお客様にも、アスリートにも
一般のお客様とアスリートでは、トレーニングの目的は違います。それでも共通しているのは、身につけた力を、自分の身体の中でうまく使えるようにすることです。
一般の方であれば、歩く、立ち上がる、荷物を持つ、片脚になるといった日常の動きがあります。アスリートであれば、走る、跳ぶ、投げる、打つ、切り返すなど、より大きな力や速い動きの中で身体をコントロールする必要があります。
もちろん、体幹を鍛えればすべてが良くなるという単純な話ではありません。筋力、パワー、スピード、可動性、競技の技術、そして体幹。それぞれを目的に合わせて組み合わせることが大切です。
だからこそ、体幹だけを特別扱いするのではなく、身体全体の中の一つの大切な要素として考えています。
不安定な場所で行えば良いわけではありません
体幹トレーニングでは、BOSUやバランスボールなどを使うこともあります。irie gymでもBOSUを使用していますが、不安定な場所で行えば行うほど、良い体幹トレーニングになるわけではありません。
不安定な環境では、身体をコントロールするための刺激を変えることができます。一方で、筋力やパワーを高めたい場面では、安定した環境でしっかり力を発揮することも大切です。
安定した環境と不安定な環境。どちらが良い悪いではなく、目的によって使い分ける。 これもirie gymで大切にしている考え方です。
筋力を高めることも、筋肉をつけることも大切です。でも、それだけで終わりではありません。
irie gymでは、身につけた力を実際の動きの中で使えるようにしていくことを大切にしています。ウェイトトレーニング、体幹、バランス、スピード、パワー。それぞれを別々に考えるのではなく、その人の目的や身体の状態に合わせて組み合わせていく。
体幹を鍛えることそのものが目的ではなく、
鍛えた力を動ける力へ。
これからも、その考え方を大切にトレーニングを行っていきたいと思っています。

