先日、お客様から韓国のプロテインをいただきました。
「ALL THE BETTER」というブランドの、バナナラテとマルチベリースムージーの2種類です。
パウチの中に粉が入っていて、そこに水を加え、振って飲むタイプ。僕は今回初めて知りました。
「こんな形のプロテインもあるんだ」
持ち運びもしやすそうで、いろいろな工夫があるんですね。今回いただいたことをきっかけに、改めてプロテインの飲み方について書いてみようと思います。
プロテインは、運動後すぐに飲まないといけない?
お客様からよく聞くのが、「トレーニング後は、すぐにプロテインを飲まないといけませんよね?」というお話です。
以前は、運動後30分以内が「ゴールデンタイム」と言われ、トレーニングが終わったら急いで飲む、というイメージが強かったと思います。
もちろん、運動後にタンパク質を摂ることは大切です。ただ、30分を過ぎたら、せっかくのトレーニングが無駄になるわけではありません。
僕がお伝えしたいのは、飲む時間を気にする前に、まず毎日の食事を振り返ってみてほしい、ということです。
朝・昼・夕の食事で、タンパク質を摂れていますか。プロテインを飲んでいても、普段の食事が十分でなければ、そこも見直していきたいところです。
研究から分かってきていること
最近の研究でも、「運動後すぐ」に飲むことだけが特別に重要だとは言い切れないことが分かってきています。
例えば、2025年に発表された、運動前と運動後のタンパク質摂取を比べた5つの研究のまとめでは、筋肉などを含む除脂肪体重の変化に、前後で明確な差は確認されませんでした。
ただし、これは「30分以内」と「何時間も経ってから」を直接比べた結果ではありません。研究数も少ないため、「いつ飲んでも全く同じ」とまでは言えません。
スポーツ栄養の指針でも、まず大切にされているのは、1日に必要なタンパク質を確保することです。
だから僕は、運動後の30分に焦るより、1日の食事全体を整えることを大切にしてほしいと思っています。運動後に飲む習慣がある方は、そのままで大丈夫です。わざわざ飲むのを遅らせる必要もありません。
飲むタイミングは、食事に合わせて考える
では、実際にはいつ飲めばよいのでしょうか。ここは、トレーニングの前に何を食べたか、その後いつ食事ができるかで考えると分かりやすいと思います。
運動前に食べていて、運動後も食事ができるとき
運動前にタンパク質を含む食事を摂り、終わってからもそれほど待たずに食事ができるなら、慌ててプロテインを追加する必要はありません。まずは、その食事で必要な栄養を摂ることを考えましょう。
空腹で運動したとき、食事まで時間が空くとき
朝食を食べずに運動した場合や、前の食事から長い時間が空いている場合は、運動後に早めに食事や補食を摂るとよいでしょう。
仕事や移動などで、しばらく食事ができないこともあると思います。そんなときは、手軽にタンパク質を補えるプロテインが役立ちます。
「運動したから必ず1杯」と決めるより、自分の食事や生活に合わせて使っていく。その方が、無理なく続けやすいのではないでしょうか。
まずは、毎日の食事を見直すことから
タンパク質は、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など、普段の食事から摂ることができます。
量の目安として、国際スポーツ栄養学会は、筋肉の維持や増加を目指して運動する健康な成人の多くに、1日あたり体重1kgにつき1.4〜2.0gを示しています。体重60kgなら、84〜120gです。
これはプロテインの粉の重さではなく、食事と補助食品を合わせたタンパク質の量です。誰もが上限まで摂ればよいということではなく、年齢や運動量、目的などに合わせて考えます。
ただ、最初から毎日細かく計算するのは大変です。まずは、朝・昼・夕の食事に、タンパク質を含む食品が入っているかを確認してみてください。
- 朝食がパンとコーヒーだけなら、卵やヨーグルトを添える。
- 昼食が麺類だけなら、肉や魚、大豆製品などのおかずを組み合わせる。
- 夕食も主食だけで済ませず、タンパク質を含む食品を取り入れる。
こうした工夫から始めてみるとよいと思います。1日の総量が大切だからといって、夜にまとめて摂るのではなく、普段の食事に分けて取り入れていきましょう。
※腎臓病などでタンパク質の制限を指示されている方は、この目安ではなく、医師や管理栄養士の指示を優先してください。
プロテインは、必要なときに役立つもの
僕は、プロテインを否定しているわけではありません。僕自身も飲んでいますし、食事だけでは足りないときに便利な補助食品だと思っています。
ただ、プロテインを飲んでいれば、食事は何でもよいということにはなりません。身体には、タンパク質以外にも、エネルギーやビタミン、ミネラル、食物繊維などが必要です。
だからこそ、まずは食事を整える。そのうえで、足りないタンパク質をプロテインで補う。この順番を大切にしたいと考えています。
これは、食事のタンパク質の方が、プロテインより必ず筋肉づくりに優れているという意味ではありません。タンパク質だけでなく、食事全体を見てほしいということです。
以前のソイプロテインについての記事でも、毎日の食事を基本にする考え方について書きました。商品を選ぶときも、自分の食生活のどこを補いたいのかを考えてみてください。
海外のプロテインにも、いろいろな形があります
今回いただいた韓国のパウチタイプのほかにも、海外では、そのまま飲めるドリンクや、ジュースのような飲み口のクリアプロテイン、植物由来のタンパク質を使った商品などがあります。
英国向けのMyprotein公式サイトを見ても、さまざまな種類が紹介されています。味や原料だけでなく、持ち運びやすさや飲みやすさにも選択肢が増えているんですね。
便利なものを、自分の生活に合わせて取り入れる。それはよいことだと思います。ただ、新しい商品が出ても、毎日の食事を大切にするという基本は変わりません。
irie gymでのプロテインの取り扱いについて
最後に、irie gymからのお知らせです。
今後の運営方針として、2026年末をもってプロテインの取り扱いを終了します。
取り扱いは終了しますが、プロテインの有用性を否定するものではありません。これからも、食事を基本に、必要なときにはプロテインも活用するという考え方をお伝えしていきます。
トレーニング後に急いで飲むことよりも、今日の食事はどうだったか。まずは、そこから振り返ってみてください。
食事もトレーニングも、自分に合った形で続けることが大切です。無理なく続けられる身体づくりを、一緒に考えていきましょう。
この記事で参考にした資料
飲むタイミングやタンパク質量については、以下の研究・指針を参考にしています。
- 運動前後のタンパク質摂取を比較した研究のまとめ(Casuso・Goossens、2025年):本文の「研究から分かってきていること」で紹介したメタ分析。
- 国際スポーツ栄養学会:タンパク質と運動に関する指針(2017年):1日の摂取量、食事への分配、補助食品の活用について。
- 国際スポーツ栄養学会:栄養を摂るタイミングに関する指針(2017年):1日の総量と運動前後の食事の考え方について。
- Myprotein英国公式サイト:プロテインドリンク:海外の商品形態の例として参照。

