トレーニングを始めて、もう20年以上になります。
体を動かすこと、食事を整えることは、僕にとってもはや日常。
ここ1年半ほどは、平日は肉を食べず、魚や豆類を中心にしたクリーンな食生活を続けてきました。
体調も良く、数値的にも問題なし。
そう思っていたのですが、最近になってリカバリーの質にわずかな違いを感じるようになり、体の中で何が起きているのかを確かめてみたくなりました。
見た目は健康でも、体の内側はどうなっているのか。その答えを知りたくて、初めて栄養解析(血液検査)を受けてみました。

検査で見えた“意外な結果”
解析結果を見たとき、担当の先生が開口一番、
「こんなデータは見たことがない」と驚かれていました。
数値だけを見ると、一見とても健康的。
それなのに、エネルギー代謝の指標が極端に低く、
まるで体が燃料を節約しているような状態だったのです。
その言葉に僕自身も思わず息をのみました。
長年のトレーニングと整った食事の先にあったのは、まさかの“省エネ体”だったのです。
• 総タンパク・アルブミンが低め
• LDLコレステロールや中性脂肪が低値
• 亜鉛・ビタミンD・ビタミンB群の不足
• 胃酸・消化酵素の分泌低下
• 自律神経の乱れと低血糖傾向
どれも悪い数値というほどではありません。
ただ、全体として「代謝を落とし、エネルギーを節約する体」になっていたのです。
医師のコメントと、自分なりの解釈
医師からは、「長年のトレーニングと節制によって、体がエネルギーを節約する方向に適応している」という言葉をいただきました。
たとえば、亜鉛やビタミンB群が不足すると胃酸の分泌が落ち、タンパク質が十分に分解されない。
結果として、代謝やホルモンバランスも低下しやすくなります。
さらに脂質が少なすぎると、胆汁酸の分泌が減り、
脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収にも影響が出る。
健康的すぎる食生活が、体の機能を静かに弱めていた・・。そんな事実を、データから突きつけられた気がしました。
トレーナーとして感じたこと
今回の結果を通して改めて感じたのは、正しい知識も、体で実感してこそ本当の理解になるということです。
これまで20年以上、トレーニングと食事の両面から体づくりを行ってきましたが、データとして自分の体の反応を確認できたことで、栄養のバランスがどれほどパフォーマンスに影響するかをより深く実感しました。
クリーンな食事は大切ですが、それをどう活かすかはまた別のテーマ。今回の経験は、指導させていただいている方々へのサポートにも新しい視点をもたらしてくれたと感じています。これからも、実体験をもとにした再現性のある指導を続けていきたいと思います。
これからの改善と実践
今回の結果を踏まえて、これまでの食生活はそのままに、栄養の吸収とエネルギー代謝をサポートする取り組みを始めました。
そのサポートとして、MCTオイル・必須アミノ酸・ビタミンADEK・消化酵素を新たに取り入れています。クリーンな食事を続けながらも、体が必要とする栄養をしっかり活かせるよう整えていきます。
体質が改善していけば、エネルギーを無駄なく使える体になり、トレーニング中の持久力や回復の質が高まることを期待しています。また、基礎代謝やホルモンバランスが整うことで、より安定したコンディションで日々を過ごせる体へと変化していけると感じています。
これからの自分に向けて
健康を追い求めるあまり、体の声を聞き逃していた。今回の血液検査は、そのことに気づかせてくれる大きなきっかけになりました。
正しいと信じて続けてきた習慣も、時には見直すことで、より良い方向にアップデートできる。
体づくりは一生の学びです。
これからも、トレーナーとして、そして一人の人間として、自分の体と丁寧に向き合いながら発信を続けていきます。

